読書生活

２５歳で悪性リンパ腫というガンを発病した、普通のＯＬの闘病記です。

私たちの２人に１人近くががんになり、３人に１人が、がんで命を落としているという「がん大国」日本。がんはけして他人事ではないのですが、20代ではまだまだ、がんなんて無縁の世界の話だと思ってる人がほとんどなのではないでしょうか。

仕事にプライベートに充実した日々を送っていた著者のナツコさんは、告知を受けて衝撃を受けながらも「生きたい」という強い意志と家族の支えによって、前向きな闘病生活を送ります。それは命を賭けた必死で壮絶な戦いなのですが、若い女性らしい明るい文章とユーモアに救われます。

巻末には主治医の先生の解説が寄せられています。医療スタッフの立場からすると、病院の対応に不安を覚えてしまう患者や家族の気持ちや、患者にしかわからない化学療法や放射線治療の副作用の苦しさなど、とても考えさせられるところがあったそうです。

現在がんと戦っている人もそうでない人にも、生きる勇気と希望を与えてくれる本だと思います。


◆へこんでも―25歳ナツコの明るいガン闘病記

著者：多和田 奈津子
出版社：新潮社
発売日： 2002/04
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